遠景に布引山脈を臨む、山あいの集落に私たちのハーブ農園はあります
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ハーブ農園
みつがの本造園について
文 セタユウジ
農園の立地と特徴
風が流れる山の麓のハーブ園
私たちのハーブ農園『みつがの本草園』は、三重県の真ん中に伸びる布引山脈のふもと、山からの清水が小川となって流れる里山の穏やかな集落にあります。歴史的にも豊かな山野草に恵まれた地域で、この土地の気候と土壌が、私たちのハーブに特別な風味を与えてくれます。自然と共に生き、持続可能な方法で最高品質のハーブを育てることを目指して日々の農園運営に励んでいます。
布引山脈のふもといい風が吹く里山にある農園です
農園のストーリー
ハーブ栽培を始めるきっかけ
ハーブに興味を持ち、植物療法の資格を取ったり、手当たり次第本を買い集めて学びを深めていく中で、ぶち当たった壁は、植物の種類や効果効能を方程式のように習っても、スッと頭に入ってこなかったことです。もともと理屈より感覚的な人間なので、見たことがない、触ったこともないものは、いくら本を読み、写真で見ても実感がわきません。「実物を見てみたい」という衝動が一番最初のとっかかりです。そして、次にやったことは、最高のハーブを追い求めて、日本全国色々な生産者の方に会いに行きました。間近で実物のハーブを見て、土に触れながら苗を定植したり、ハーブを収穫する体験をさせてもらったことで、強烈に「自分自身でやってみたい」という欲求が湧き上がりました。
大自然のなかで育った僕ですが、農業の経験はありません。ハーブ栽培はどこから手をつけていいか皆目見当もつきませんでした。そんな無知な僕を助けてくれたのが、兼業農家として野菜や米を作ってきた父親です。「ハーブのことはよくわからないけど、とにかくやってみよう」と力を貸してくれました。僕に与えられたのは一反弱の田んぼ。この前までお米を栽培していた区画です。この真っ新な土地で、これから自分が育てたいハーブを好きなだけ育てられると考えると、期待と希望で、四六時中畑のことばかり考える日々が続きました。
何も植っていないまっさらな空間を前に、希望にあふれていました
栽培方法へのこだわり
なるべく自然に近い状態で育てたい
私たちが栽培しているハーブは、全て無農薬・無化学肥料で育てています。そして極力人の手を加えず、植物が本来持っている生存力を活かそうと考えています。それにより、ハーブが本来持つ香りや味わいを最大限に引き出すことができるからです。
そして、ハーブを育てる上で大切にしているのは、『よく観察する』ことです。同じ品種でも、育つ土地の土壌や気候によって条件は全く異なります。そして同じ土地でも年によって状況が変わってくる。結局、目で見て、手で触れ、匂いを嗅いだり、かじったりしながら、個々の植物の状態をを把握して、対策していくしかありません。
そして、もう一つ大切なのは『タイミング』です。植物によって花を咲かせる時間が違います。同じ植物でも若くて柔らかい部分と、しっかり成長して太く、硬くなったものも違います。どのタイミングで収穫すると一番香りがよく、薬効も強いのか。トライアンドエラーをしながら、品種によるベストなタイミングを探っています。
そして化学肥料や農薬は一切使わないのは、ハーブのためだけでなく、土壌の健康を保つことを最優先に考えているからです。また、農園の水やりも山からの湧水を使い、無駄のない持続可能な農業を心がけています。自然のサイクルに従いながら、環境に優しい農業を実践し、次世代に美しい自然を引き継いでいけるように、自分たちにできることから実践していこうと考えています。
農園の風景とハーブたち
季節ごとに主役が変わり、景色も変わる
農園では、季節ごとに異なる風景が広がります。春になると、色とりどりの花が咲き、甘い香りを農園中に漂わせます。2024年はサンシキスミレから始まり、初夏のセントジョンズワートまで次々に花開くハーブたちを追いかけるように一つひとつ手作業で摘み取り、その芳香と癒しの力を最大限保てるように丁寧に処理を行います。
夏の朝はバタフライピーの収穫から始まります。朝露に濡れた花弁を毎朝丁寧に収穫していきます。 ハーブによって咲く時間が決まっていて、11時半になって咲き始めるパッションフラワー の花を摘み取って、お昼休憩に入るのが夏のルーティーンになっています。
秋には、ホーリーバジルやアニスヒソップ が夏から続いて畑に甘い匂いを漂わせます。私たちの農園の一年の最後の収穫は、立ち姿が美しいハイビスカスローゼルです。ハーブティー にするとルビー色に染まるこのハーブは、花ではなく、花が咲いた後に残った額を使います。また、秋は次のシーズンに向けて、タネを巻き、苗を育てる時期でもあります。次の年の春に、力強いスタートを切るために、秋のうちに仕込みを始めます。
冬になると、ハーブたちは休息の時期に入ります。多年草のハーブや、秋に種まきした一年草のハーブは、冬になると葉が落ち地上部は枯れたようになって、農場は少し寂しい景色になります。でも、植物たちは決して死んでしまった訳ではなく、地下ではしっかり根を張り、暖かくなって本格的に咲き誇るための準備を着々とすすめています。冬の静かな農園は、次の季節に向けた新たな命が芽吹く前の静けさに包まれています。
手作業での収穫と加工
手で管理することで、一番いい形をパッケージできる
私たちの農園で栽培されるハーブは、すべて手作業で収穫しています。一つひとつ丁寧に手摘みすることで、一つ一つの状態を確認し、香りが一番いい時期に採取することができます。また定期的に水分活性値を測るなど、その後の乾燥や加工にも細心の注意を払っています。それぞれの品種に合わせた管理をすることで、ハーブ本来の香りや成分が損なわれることなく、製品にそのまま活かされます。私たちは、ハーブがもつ一つひとつの特性を活かし、ブレンドティーやシングルハーブティーなど、さまざまな形で皆様にお届けしています。
『みつがの本草園』WEB
https://honzoen.com/
遠景に布引山脈を臨む、山あいの集落に私たちのハーブ農園はあります
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ハーブ農園
みつがの本造園について
文 セタユウジ
農園の立地と特徴
風が流れる山の麓のハーブ園
私たちのハーブ農園『みつがの本草園』は、三重県の真ん中に伸びる布引山脈のふもと、山からの清水が小川となって流れる里山の穏やかな集落にあります。歴史的にも豊かな山野草に恵まれた地域で、この土地の気候と土壌が、私たちのハーブに特別な風味を与えてくれます。自然と共に生き、持続可能な方法で最高品質のハーブを育てることを目指して日々の農園運営に励んでいます。
布引山脈のふもといい風が吹く里山にある農園です
農園のストーリー
ハーブ栽培を始めるきっかけ
ハーブに興味を持ち、植物療法の資格を取ったり、手当たり次第本を買い集めて学びを深めていく中で、ぶち当たった壁は、植物の種類や効果効能を方程式のように習っても、スッと頭に入ってこなかったことです。もともと理屈より感覚的な人間なので、見たことがない、触ったこともないものは、いくら本を読み、写真で見ても実感がわきません。「実物を見てみたい」という衝動が一番最初のとっかかりです。そして、次にやったことは、最高のハーブを追い求めて、日本全国色々な生産者の方に会いに行きました。間近で実物のハーブを見て、土に触れながら苗を定植したり、ハーブを収穫する体験をさせてもらったことで、強烈に「自分自身でやってみたい」という欲求が湧き上がりました。
大自然のなかで育った僕ですが、農業の経験はありません。ハーブ栽培はどこから手をつけていいか皆目見当もつきませんでした。そんな無知な僕を助けてくれたのが、兼業農家として野菜や米を作ってきた父親です。「ハーブのことはよくわからないけど、とにかくやってみよう」と力を貸してくれました。僕に与えられたのは一反弱の田んぼ。この前までお米を栽培していた区画です。この真っ新な土地で、これから自分が育てたいハーブを好きなだけ育てられると考えると、期待と希望で、四六時中畑のことばかり考える日々が続きました。
何も植っていないまっさらな空間を前に、希望にあふれていました
栽培方法へのこだわり
なるべく自然に近い状態で育てたい
私たちが栽培しているハーブは、全て無農薬・無化学肥料で育てています。そして極力人の手を加えず、植物が本来持っている生存力を活かそうと考えています。それにより、ハーブが本来持つ香りや味わいを最大限に引き出すことができるからです。
そして、ハーブを育てる上で大切にしているのは、『よく観察する』ことです。同じ品種でも、育つ土地の土壌や気候によって条件は全く異なります。そして同じ土地でも年によって状況が変わってくる。結局、目で見て、手で触れ、匂いを嗅いだり、かじったりしながら、個々の植物の状態をを把握して、対策していくしかありません。
そして、もう一つ大切なのは『タイミング』です。植物によって花を咲かせる時間が違います。同じ植物でも若くて柔らかい部分と、しっかり成長して太く、硬くなったものも違います。どのタイミングで収穫すると一番香りがよく、薬効も強いのか。トライアンドエラーをしながら、品種によるベストなタイミングを探っています。
そして化学肥料や農薬は一切使わないのは、ハーブのためだけでなく、土壌の健康を保つことを最優先に考えているからです。また、農園の水やりも山からの湧水を使い、無駄のない持続可能な農業を心がけています。自然のサイクルに従いながら、環境に優しい農業を実践し、次世代に美しい自然を引き継いでいけるように、自分たちにできることから実践していこうと考えています。
農園の風景とハーブたち
季節ごとに主役が変わり、景色も変わる
農園では、季節ごとに異なる風景が広がります。春になると、色とりどりの花が咲き、甘い香りを農園中に漂わせます。2024年はサンシキスミレから始まり、初夏のセントジョンズワートまで次々に花開くハーブたちを追いかけるように一つひとつ手作業で摘み取り、その芳香と癒しの力を最大限保てるように丁寧に処理を行います。
夏の朝はバタフライピーの収穫から始まります。朝露に濡れた花弁を毎朝丁寧に収穫していきます。 ハーブによって咲く時間が決まっていて、11時半になって咲き始めるパッションフラワー の花を摘み取って、お昼休憩に入るのが夏のルーティーンになっています。
秋には、ホーリーバジルやアニスヒソップ が夏から続いて畑に甘い匂いを漂わせます。私たちの農園の一年の最後の収穫は、立ち姿が美しいハイビスカスローゼルです。ハーブティー にするとルビー色に染まるこのハーブは、花ではなく、花が咲いた後に残った額を使います。また、秋は次のシーズンに向けて、タネを巻き、苗を育てる時期でもあります。次の年の春に、力強いスタートを切るために、秋のうちに仕込みを始めます。
冬になると、ハーブたちは休息の時期に入ります。多年草のハーブや、秋に種まきした一年草のハーブは、冬になると葉が落ち地上部は枯れたようになって、農場は少し寂しい景色になります。でも、植物たちは決して死んでしまった訳ではなく、地下ではしっかり根を張り、暖かくなって本格的に咲き誇るための準備を着々とすすめています。冬の静かな農園は、次の季節に向けた新たな命が芽吹く前の静けさに包まれています。
手作業での収穫と加工
手で管理することで、一番いい形をパッケージできる
私たちの農園で栽培されるハーブは、すべて手作業で収穫しています。一つひとつ丁寧に手摘みすることで、一つ一つの状態を確認し、香りが一番いい時期に採取することができます。また定期的に水分活性値を測るなど、その後の乾燥や加工にも細心の注意を払っています。それぞれの品種に合わせた管理をすることで、ハーブ本来の香りや成分が損なわれることなく、製品にそのまま活かされます。私たちは、ハーブがもつ一つひとつの特性を活かし、ブレンドティーやシングルハーブティーなど、さまざまな形で皆様にお届けしています。
『みつがの本草園』WEB
https://honzoen.com/